人生について考える時間は、日々の中ではあまりに少ない

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就職したばかりで、なんとなく眠れず食欲もなし、
という状態に陥り、目の下に真っ黒いクマを作りながらも
必死で出勤していました。

次第に痩せてきたわたしを見て、
年上の同僚の女性が勧めてくれた心療内科を受診してみると、
診断名は「うつ病」。

三ヶ月の療養を要す、ということで、
勤め始めたばかりの会社を休職することになってしまいました。

はじめは、就職したばかりで仕事を休んでしまっていることへの焦りと、
迷惑をかけてしまっている同僚のみなさんへの申し訳なさで毎日泣いていました。

しかし、家でゆっくりと自分の作ったものを食べ、家事に勤しむ生活をするうち、
気持ちが落ち着いてきて、だんだんと眠れるようになってきました。

そんなおりに、会社で唯一連絡を交わしていたのはあの同僚女性。

「あなたはまだ若いんだし、本当に自分がしたい仕事はこれなのか
ということをゆっくり考える機会だと思ったらいいと思うよ」

という言葉にハッとしました。

新卒のわたしが選んだ仕事は、
確かにわたしの趣味に近いものでした。

しかし、なんとしてもその仕事に食らいつき、
3ヶ月後またあの会社に戻りたいかと言われれば、
落ち着いてきたわたしの心は「NO」と答えることに気づいたのです。

その女性の手助けもあって、職場に復帰したわたしは、
申し訳ないことですが転職を実行に移しました。

人生について考える時間は、日々の中ではあまりに少ないものです。

うつ病の症状は本当に苦しいものでしたが、
それでも自分の人生を見つめ直す機会になったことを、
今ではありがたく思っています。