歯が抜ける夢をよく見ていました


うつ病の頃、歯が抜ける夢をよく見ていました。
夢の最初、一本の歯がぐらぐらとし、そのうちぽろっと抜けます。

大体、八重歯です。

「あれ、私、まだ乳歯が残っていたんだ」と思った瞬間、
口の中のすべての歯がぼろぼろと抜けます。

抜けた歯で口の中がいっぱいになります。
生えていた本数以上の歯が口の中にあふれます。

両手で口を押さえるのですが、その間も歯は口の中で増えていきます。
不思議に痛くはありません。血も出ません。

ただ、あふれる歯をどうにか口の中でおさえておかなきゃいけないと思うのです。
口の外に出すことに強い拒否感がありました。

私はこの夢を見た翌朝は、なんだか不吉な予感がしていつも以上に気分が落ち込んでいました。
この夢を見たときに限って、普段の夢以上に生々しく夢の内容を覚えているのです。

でも、あるとき、夢診断で歯が抜ける夢は吉兆のしるしであるという話を聞き、
なんだか救われた気分になることができました。悪い夢だと思っていたのに、
悪くないどころか逆によい夢だといわれたのが、うれしかったのだと思います。

吉兆ということで、それまで暗いとしか感じていなかった将来に少しだけ希望が持てました。
でも、その夢診断の話を聞いて以来、とんと歯が抜ける夢を見なくなりました。

どうして見なくなったのか、今でも不思議です。
私自身が吉兆のしるしと気付いたことで、夢に出る必要がなくなったのかもしれません。

その後、半年ほどでうつ病が軽くなり社会復帰できました。


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