ストレスケアとは、うつ病などにかかった人が
再発しないよう、ストレスを受けた際に上手く対処できるよう
ストレスをコントロールする方法を身につけたり、
ストレスで疲れきった心身をケアし、精神の安定を図る事が目的です。
ストレスケアでの治療は通院できるところもありますが、
集中的に治療をしたい方には入院がおすすめです。
ストレスケアで入院?
うつ病で入院する場合、大きく分けて2つのパターンになります。
1つは、家族や周りの人間が患者本人の意志とは関係なく入院させる、
半ば「強制的な入院」と本人の意志による「任意的な入院」があります。
「強制的な入院」の場合は、自傷行為や自殺、
また他人を巻き込む恐れがある為、多くは閉鎖病棟に隔離され、
面会などもさせず、場合によっては拘束される場合もあります。
一方、「任意的な入院」になると、病院の治療方針にもよりますが、
基本的には他人とあまり干渉しないような閉鎖的な病棟にはなりますが、
本人の状態によっては、外出も自由だったり外泊も医師の許可があれば自由です。
そして、駅から近くアクセスの良い場所にストレスケアができる
医療機関がある場合もありますが、ストレスが溜まっているうつの状態では
少しの音などにも敏感に反応してしまったり、人付き合いをあえて少なくし、
治療に専念できるようにと、郊外の病院などに入院する方も多くいます。
ストレスケアで入院する前にする事
当然ですが、入院する為には入院する事が必要であると
診断されなくてはなりません。
これは診察時に行われる「J-DES」や「SAS」と呼ばれる
うつ病診断チェックや心理テストのようなもので判断し、
入院が必要だと判断された場合に、治療方針を決めていきます。
うつ病の場合は、自分の症状を全て話す事は難しいと思いますので、
予め箇条書きで症状をメモしておいたり、「お薬手帳」を持参し、
副作用の出た薬にはチェックを入れておきましょう。
ただし、「強制的な入院」の場合は、
上記の診察が難しい為、家族の同意があれば即入院となります。
ストレスケアで入院した場合の費用は?
ストレスケアの場合、一般病棟の用に6〜8人程度の部屋ではなく、
個室〜4人程度の部屋での入院となり、患者によって症状が異なるので、
患者同士の挨拶以外のやり取り(メールや電話)は原則禁止されています。
費用については、部屋のグレードや病院の治療プログラムにもよりますが、
1泊2、3000円〜くらいになるのではないでしょうか。
「任意的による入院」の場合、退院の時期は本人が望めば
早める事はできると思いますが、薬物療法を行う場合は、
身体に合っているかどうかを見極める必要がありますので、
1ヶ月程度は考えておいた方がよろしいかと思います。
また、ストレスケアの場合でも保険は適用できますので、
ご自身の加入されている保険内容を良く読んでおきましょう。
高額療養費制度もできますので、申請も忘れずにして、
治療に専念できる準備をしておきましょう。
ストレスケアの入院で持ち込めないもの
一般の入院とは異なり、「荷物検査」が行われます。
これは、感情の波に変化があった際、衝動的に自傷行為や自殺をしないよう
カミソリや爪切りから、携帯電話の充電コードなどは、
夜中は預けておき、日中(医師や看護師の目の届く時間帯)は返してもらえます。
ストレスケアで入院したら何をするの?
ストレスケアが目的で入院した場合、多くは薬物療法や精神療法、
作業療法などを患者の容態に合わせて行い、ストレスを溜めない生活を心がけ、
1日のスケジュールも朝早く起き、ラジオ体操やヨガ、脳トレなどを行い、
夜は遅くても9〜10時には寝る規則正しい生活を送ります。
これは、うつ病になると規則正しい生活を送る事が困難になり、
その結果、様々な弊害によりうつ病が悪化してしまう事を防ぐ目的があるのと、
入院する事で、日々の容態の推移を医師や看護師が身近に確認できる事で、
抗うつ剤や気分調整剤などの効果や患者の気分の変化もきめ細かく
フォローする事ができるのです。
ストレスケア病棟での面会時間
ストレスケア病棟では、面会時間が限られている場合が多く、
患者に精神的な負担をかけない事を重要視しておりますので、
家族であっても2〜4時間程度に制限されます。
※緊急の場合や、何かしら事情がある場合は可能な場合がほとんどです
これは、1日の中で作業療法などのスケジュールも組んでおり、
そのプログラム(治療)を優先する目的で取られている配慮になりますので、
ご家族が入院された場合は、毎日顔を出したい気持ちもわかりますが、
本人の意志を尊重してあげる事も大切です。
ストレスケア病棟での携帯電話の使用はOK?
普通の病室でもそうですが、病院内での携帯電話の使用は
禁止されているところが多いです。
特にストレスケア病棟に入院される方の中には、
SNSなどでストレスを抱えている人もおり、
病室内で他の患者が行うボタンの操作音や振動音などにも敏感ですので、
病室内での使用は極力避けた方がよいでしょう。
病室ではなく、休憩所のような場所が併設されているかと思いますので、
そちらであまり携帯に依存しないように使用を控え、
せっかく入院したのですから、治療に専念しましょう。
ストレスケア病棟での食事
ストレスケア病棟での食事に関しては、栄養のバランスを考えた献立になりますが、
カロリーのバランスが取れるようであれば、
食べたいものをリクエストできる病院もあるようです。
また、入院前の診察時に「嫌いな食べ物」があれば、
その食べ物が「ストレス」になってしまいますので、
先に言っておけば、それを抜かして調理してくれる病院もあります。