うつ病の治療は一定期間を要します。
治療内容は人によって異なりますが、再発しないよう治療を行うとすると
少なくとも半年はみておいた方がいいかもしれません。
うつ病の治療には、心身共に休む事が第一ですが、
仕事をしている人に取っては、治療期間は仕事を休職・または退職せざるを得ない場合もあり、
治療に専念することができず、ズルズルとうつ病を引きずったまま、
何年も経過してしまう事があります。
また、うつ病の治療では「抗うつ剤」などによる治療法と、
「カウンセリング」などが一般的で、「抗うつ剤」については
そこまで医療費がかかることはありませんが、「カウンセリング」については、
病院やクリニック毎に料金設定が異なり、それに加えて何かと費用がかさむ場合があります。
金銭的な不安はうつ病治療には天敵ですので、必要な休息をしっかりとれるよう、
労災保険、障害手当、自立支援医療制度や精神障害者保健福祉手帳の申請などを
活用しましょう。
うつ病の原因が職場にあるなら、労災保険が申請可能
名ばかり管理職や、法定労働時間を超える慢性的な残業や、
上司によるノルマ達成へのパワハラや精神的圧力、
また近年増加傾向にある、いわゆる「ブラック企業」状態の職場環境が原因で
うつ病になった場合は、労災保険の利用を検討してみましょう。
まともな会社であれば、話し合いの場を設けたりする場合もありますが、
概ね申請が通りやすいですが、「ブラック企業」の場合は、
従業員に対する思いやりのかけらもないところが多いので、
万一拒否されたりする場合は、弁護士などに相談するのも手です。
労災保険は、うつ病の診療代がかからないうえに、
休職時に給与の8割が得られる制度ですので、
会社にうしろめたい気持ちがあり、
なかなか申請し辛いかとは思いますが、
治療に専念する為にも、ぜひ利用を検討してみましょう。
労災保険がだめなら、傷病手当金でもOK
もし労災保険を申請し、却下されてしまった場合や
職場以外の事が原因(引越や結婚・離婚、死別や同居による人間関係のストレスなど)で、
うつ病になってしまった場合でも、会社で社会保険に入れてもらっていれば、
ほとんどの場合で、傷病手当金が利用できます。
傷病手当金は原則、給与の2/3が給付される制度で、
手続き自体も、会社の人事担当者などに相談して、
書類を出すだけで対応してくれるところがほとんどですので、
ハードルはそこまで高くないと思いますので、
ぜひ利用しましょう。
自立支援医療制度について
自立支援医療制度は、何らかの理由で上記2つの支援を受けられなかったり、
うつ病治療に専念する為、各支援制度を申請する前に会社を退職してしまった場合、
または働いていない人でも受けられる公的な支援制度になります。
自立支援医療制度を利用すると、自己負担額が1割に抑えられる他、
生活保護を受けてる方であれば、自己負担額が0円になったり、
所得が低い方には、さらに負担額が減額されるケースもありますので、
お住まいの区市町村の担当窓口(特別区地域は保健所・保健センター等、
市町村地域は市役所・町村役場障害者福祉主管課等)に相談してみましょう。
精神障害者保健福祉手帳について
上記の支援制度とは少し異なりますが、
うつ病患者などの精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、
この精神障害者保険福祉手帳を持っていると、様々な場所やサービスで
控除や割引などを受けられる事ができます。
申請方法は市町村の担当窓口で行う事ができますが、
ご家族や入院や通院先の医療機関関係者等が代理で行うこともできます。
申請に必要な書類は以下の通りです。
1.申請書
2.診断書又は、精神障害による障害年金を受給している場合は、その証書等の写し
※診断書は、精神障害の初診日から6か月以上経ってから、
精神保健指定医(又は精神障害の診断又は治療に従事する医師)が記載したもの。
3.本人の写真
申請すると、各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターにおいて審査が行われ、
認められると手帳が交付されます。(なお、年金証書等の写しが添付されていれば、必ず手帳が交付されます。)