分かり易い言葉で説明する為、「スマホうつ」と書きましたが、
実際に医学的にうつ病の種類と認められているわけではないので、
ご注意ください。

スマホうつとは?

まず、「スマホうつ」と聞くと、「スマホ依存症」などの言葉が
思い浮かぶかと思いますが、少し異なります。

「スマホ依存症」は四六時中スマホを話せず、
深夜になってもSNSなどで友達とやり取りをし、
言わば「スマホ漬け」になっている状態で、
辞めたくても辞められない状態です。

一方、「スマホうつ」はというと、
スマホを手放せない状態ではなく、
スマホを操作し続ける事により、
身体にうつ病に似た症状が出て来るような状態になります。

具体的には首肩こり頭痛立ちくらみめまいだるさ
体調不良吐き気睡眠障害などになります。

そして、スマホなどでついついゲーム動画ニュースサイト
自分の好きな芸能人や趣味など興味のある事に関する情報が
簡単に調べられてしまいますので、時間があればスマホを見てしまう
という人が増えています。

現代人が得られる情報量は、江戸時代の人が瓦版などを通じて得ていた情報量の
1万倍、つまり江戸時代の人が一生かけて得たであろう情報量を
わずか1日で得られてしまうという事です。

しかし、人間の脳は江戸時代からそこまで大きく進化している訳ではなく、
ほんの数百年の間に脳が1日に処理する情報量が1万倍になったとあれば、
本来、夢として脳が情報量を整理するはずが、対処しきれなくなり、
身体に変調が出始めます。

今や早いと小学生でもスマホを持たせる時代ですが、
親はスマホの操作方法などやスマホを持つ事の弊害を知らぬまま、
子供が欲しがる、友達がみんな持たせているなどで
スマホが普及し始めた時から、年々「スマホ依存症」と「スマホうつ」は
増加傾向にあると考えられています。

スマホうつの症状とは?

スマホを使っている時の姿勢を思い浮かべてください。
きっと、首を下に傾け、メールやSNSでメッセージを入力している際は、
そのままの状態を固定し、例え歩いていたり、電車やバスに乗っている時も
ひどい時は自転車に乗っている時も姿勢が固定されてしまいます。

人間の首というのは、頭の大きさや重さに対し、
そこまで丈夫に支えられる作りにはなっておらず、
頭を下に傾けるという事は、首以外の部分、
つまり肩から背中にかけての筋肉で支えられ、
そのまま長時間固定される事になります。

ちょっとした時間であれば問題ないのですが、
例えば、鏡の前でボクサーがするようなファイティングポーズを
してもらうと分かるかと思いますが、5分も姿勢を固定していると
腕の重さを感じ始めるかと思います。

それと同じように、知らず知らずの内に首から肩、背中にかけての筋肉が強張り、
それが蓄積していき、首肩こりの症状として現れ始めます。

人によっては、頭痛を伴う場合もあります。

また、スマホを長時間見続けるという事は、
視線(目のピント)も固定され続け、意識しないにせよまばたきの回数が減り、
その状態が続くと「ドライアイ」になる可能性が高いです。

「ドライアイ」になると、まず頭が重たくなる感じになり、
遠くのものが見えにくくなり、気分が悪くなったり、立ちくらみに似たような
症状が出て来ます。

このような症状は、うつ病、またはうつ病になる手前の状態である
抑うつ病に見られる症状と非常に酷似しています。

スマホうつを治すには

「スマホうつ」を治す方法で一番良いのは、
スマホを使用する時間を極力少なくする事です。

しかし、中高生などは自分の周りの交友関係が
世界の全てだと錯覚している子も多く、
またそれにより仲間外れになってしまうという恐怖から
なかなか抜け出せないでいるかと思います。

サラリーマンも、通勤前に新聞を見る代わりに
スマホで複数のニュースサイトを読み、
SNSで友達の近況やメッセージを確認して会社に向かい、
会社に着いたら今度は会社関係のSNSやメールへの対応業務など、
こちらもなかなか抜け出せないでしょう。

現実的な対処法としては、「首肩こりを溜めない生活」と
ドライアイにならない為の生活」を心掛けるしかありません。

例えば、スマホを使用する時間が減らせないのであれば、
30分、1時間起きに数分目を休めて、こめかみや目頭、
眉毛や目の下などをマッサージ、またはタッピング(指の先で叩く)し、
凝り固まった目のピントをほぐしてあげます。

さらに、スマホから発せられるブルーライトを抑制する
パソコン用のメガネなどを使用するのも効果的です。

そして、首肩も動かしてあげたり、
マッサージをするのも良いでしょう。