うつ病の症状の中には、うつであると先入観を持ってしまうと、
医者でもうつとしか思えない症状でも、違う観点から考えると別の病である場合も少なからずあります。
その中でも特に女性に多いのが、この【バセドウ病】と【橋本病】になります。
どちらも、のど(のど仏)付近の甲状腺と呼ばれる部分のホルモン分泌による病になります。
代表的な症状としては、以下になります。
【バセドウ病(甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気)の症状】
- 首元が腫れている、または腫れてる感じがする
- 身体を動かすのが辛いくらい、疲れやすくなった気がする
- 特に原因がなくてもイライラしてる事が多く、せわしない
- 激しい運動をした訳でもないので、多量の発汗・寝汗をかくようになった
- 動悸したり、朝までぐっすり眠れなくなった
- ちゃんと食べているのに体重が減る
- 上まぶたが腫れたり、まぶたが上の方に引っ張られている感じがする
- 下痢気味な時が多い
- 月経不順、無月経
【橋本病(甲状腺ホルモンの分泌が減少する病気)の症状】
- 首元が腫れている、または腫れてる感じがする
- 身体を動かすのがおっくうに感じる
- 無気力感を感じることが多い
- 全身の筋肉が強張っているような気がする
- 睡眠時間は取れているのに、日中も眠い
- 食事量は変わらないのに、以前よりも体重が増える
- 顔がむくみやすくなった、またはむくんでいるように感じる
- 便秘気味
- 月経不順、月経過多
いずれの症状でも共通しているのは、
- 首元が腫れている、または腫れてる感じがする
- 身体を動かすのが辛い
という点ですが、その他の症状はほぼ真逆になります。
これは、「バセドウ病」がホルモンが過剰に分泌され、
代謝が活発になり過ぎるのに対し、「橋本病」はホルモン分泌が
極端に少ない事により症状と考えると、分かり易いかと思います。
うつ病とバセドウ病&橋本病の違い
ここで、「うつ病」の症状を思い出してみてください。
「バセドウ病」や「橋本病」と重なる部分が多々あるかと思います。
例えば、
- 特に原因がなくてもイライラしてる事が多く、せわしない
- 激しい運動をした訳でもないので、多量の発汗・寝汗をかくようになった
- 動悸したり、朝までぐっすり眠れなくなった
- 身体を動かすのがおっくうに感じる
- 無気力感を感じることが多い
- 全身の筋肉が強張っているような気がする
これらの症状は「うつ病」でもよく見られる症状です。
「バセドウ病」や「橋本病」に関する予備知識があれば、
病院での診察時にも医者に相談し、判断をあおぐ事はできますが、
そうで無い場合、患者から申告が無い場合は、大抵職場のストレスや環境の変化による
「うつ」と勘違いしてしまう事があります。
ですが、その場合は当然の事ながら
いくら抗うつ剤を飲んでも効きませんし、抗うつ剤の中には
甲状腺に影響を与えるものもありますので、副作用が激しかったり、
本来起こるはずのない副作用なども出て来てしまう場合もあります。
うつ病とバセドウ病や橋本病を併発した場合は?
また、稀ではありますが、
この「バセドウ病」と「橋本病」を同時に患う方もおり、
その場合はより注意が必要となります。
「バセドウ病」と「橋本病」のいずれも、
専門機関で甲状腺のホルモン分泌量や血液検査などを行い(※)をし、
その後、主に投薬による治療となります。
※早ければ当日結果が出る事もありますが、1日がかりの検査になります
※甲状腺のホルモン数値は変動しますので、数値に問題がない場合でも経過観察が必要な場合もあります
「バセドウ病」や「橋本病」での投薬治療中にも
抗うつ剤を服用する事は可能ですが、飲み合わせについては医師と相談し、
決めるのが望ましいでしょう。