「部屋が散らかってても死なないから」
私がうつと診断された時、管理職で改革をバンバン打ち出していた時でした。
それまで「うつ」というものがなんなのかまったく理解していなかったし、
自分がそういう病気になるとは思わなかったのです。
ある日、いつものように会社のある駅に着いた時、ふと足が動かなくなりました。
「あれ・・・?調子悪いのかな・・・」とその時は普通に風邪でもひいたのか
体調が悪いんだろうと思っていました。
とりあえず近くのベンチで休む事にして、会社には具合が悪いので少し遅れますと連絡をしました。
ところが、1時間経っても動くことができないのです。
通勤に2時間かかっていましたが、結局その日は自宅に帰りました。
それから数日は普通どおりに働くことが出来たのですが、
周りの人から「心療内科」の受診を勧められました。
心療内科と言っても普通の内科併設なので気楽に受診できました。
先生から出た言葉は、「すぐに会社を休みなさい!うつがこじれていつ倒れてもおかしくないですよ!」
という信じられない言葉でした。
でもたくさんのプロジェクトを抱え、休む暇はなかったのですが、
とりあえず引き継ぎをして休職することになりました。
休職期間に入ったのですが、やはり「早く戻らないと!」と
仕事の事が頭から離れませんでした。
それで焦ってうまく休めなかった気がします。
でも、今では思う言葉があります。
「自分がいなくても会社は回る。」です。
おそらくうつにかかる人は真面目で正義感あふれ、
また自分の仕事にプライドを持っている方だと思います。
でも、ある意味「自分しかやれない」と思うのは危険な事で、
身体は<もうこれ以上は無理>と悲鳴をあげているのです。
「自分の能力の限界を知る。」これは頑張りすぎる貴方に是非申し上げたいのです。
それから日常の色んなことが簡単に出来ない自分にも気がついたのです。
たとえば部屋の片づけ。部屋は散らかり放題。。。
こんな自分が嫌で嫌でたまりませんでした。
その時先生から言われた言葉が救いになりました。
「部屋が散らかってても死なないから」
笑顔でそう言ってくださったことで心がすっと楽になりました。
本当に感謝です。
残念ながら私を病気にさせてしまった会社は倒産してしまいました。
帰る場所をなくし、なんどとなく転職もチャレンジしましたがダメでした。
今も私は薬を呑み、定職にもつけない状態です。
早めに治療し、ゆっくり休むことができたら
こんな私のように長期間うつに苦しめられることはないと思います。
人生は長いです。
焦らず、のんびりゆったりお過ごしください。
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