母の愛情が信じられずに境界性人格障害になっていた私
私は反抗期のないいわゆる「手のかからない子」でした。
小さい時から共働きの父母にあまりかまってもらえない私は、いつの間にか愛情に飢えていたのかもしれません。
大人になっても夜出歩く事を好まずに、家にいないと家族との繋がりを感じられなくて、胸にぽっかり穴が開いたような不安感がつきまとっていました。
それがいわゆる境界性人格障害の症状だったのかもしれません。
境界性人格障害は、普段は穏やかな人が、ある言葉や態度に反応して一線を越えたように凶暴化してしまう気分障害だそうです。
私の場合は、自分を蔑ろにするような言葉や態度に強く反応していました。
そんな言動をとられると口も利きたくなくなり、一切相手を無視します。何か月でも。
そしてひどい場合は、激しく怒り狂い物を壊した事もありました。
スイッチが入るのは自分でもわかりません。家族なら尚更で、私に腫れ物のように扱っていました。そしてそんな態度がますます私を悪化させて行くのでした。
今思えば私の母に対する執着は強かったように思います。
母が友人と旅行に行くと言っただけで、捨てられたような気持になっていましたから。
でもいつまでもこれではいけないと思い、精神科で抗不安薬をもらいながら認知療法をしてもらいました。
私の場合、愛情を受けていないという思いが根底にあるから、それを取り除かなければなりませんでした。
母にしてもらった事を思い出し、紙に書き連ねました。
でもそれは母が子供にして当然の事ばかりで、あまり意味がないように思いました。
けれど医師は言ってくれました。
「あなたはまだわからないだろうけど、赤ちゃんというのはね、親が一時でも目を離すと怪我をしたり死んじゃう生き物なんですよ。あなたは今まで飢えることなく生かしてもらい、五体満足でここにいるのは、それだけで十分お母さんの愛情をもらっていた証拠なんですよ」
それを聞いて、医師の言葉がすとんと腑に落ちたような気がしました。
それからは、母の言葉にあまり反応しないように気をつけました。
「旅行に行ってくるね」という言葉にも、「はいはい行ってらっしゃい」となんでもない事のように答える練習をしました。
本当は身が引き裂かれるほどの寂しさを感じていましたが。
けれど、そうしていると時間はかかりましたが、徐々に母親から関心が薄れて行き、適度な距離がとれてきました。
今では周囲の言動に反応する事もなくなり、穏やかな日々を過ごせています。
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