とにかくポジティブな感情が全て欠落したような状況でした
完全に治る、というと、うつ病になる前の状態の自分に戻る事を指すのかもしれませんが、私の場合は心の中が大きく変わってしまいました。
現在は症状自体は殆ど軽くなっています。
ただし、ネガティブな事が起きると沈みそうになってしまいます。
うつ病で倒れた頃は、何をするにも意欲が失せてしまい、ご飯を食べる事、電話に出る事、テレビを見る事、大好きだった音楽を聞く事、歯磨きをする事、風呂に入る事すら、つらくて仕方ない状態でした。
楽しいとか、嬉しいとか、とにかくポジティブな感情が全て欠落したような状況でした。
会社を辞めざるを得ず、二週に一度大きな病院に通院して、家に戻ると毎日昼でも夜でも寝てました。
「薬である程度意欲が戻ると自殺する人が多い」という話を時々聞きますが、私にもそれはありました。
絶望感しかなく、生きていても仕方ないなという気持ちがあるのだけど、行動を起こす意欲まではない。薬を飲むと一時的にそれが戻ってくる。
私の場合は死ねませんでしたが、もし当時交際していた彼女がいなければ何もストッパーになるものがなく死んでいた可能性も高いです。
あるとき家の近くで工事が始まり、音が喧しくなって昼は寝ていられなくなったので、近所の自然動物園で毎日閉園までペンギンを眺めていました。
運動量は圧倒的に減り、たった二ヶ月ほどで20kgほど体重が増えました。
しばらくは通院した時に貰う薬を飲んでいたのですが、睡眠薬と胃薬以外の薬はあまり効いてる感覚がなくなり、効果が切れると気持ちがどうしようもなく落ちてしまう事が多かったと思います。
医師はどうしても薬を処方したがるのですが、少しずつ減らしてもらいました。
副作用だけが出て合わない薬は不要だったためです。
そんな中、療養のため都内の部屋を引き払い、田舎に帰ってきました。
病気に関する理解のない周囲から辛い言葉を投げかけられる事も多かったのですが、私を支えようとする人たちの心が伝わってきて、いつの間にか薬を飲まなくても眠れるようになり、動けるようになりました。
それから散歩をしたりして運動をし、落ちてしまった筋肉に鞭打ってなんとか体重を落としたのと、友人たちと触れ合ううちに完全に薬は要らなくなっていました。
外出も出来るし、遠出もできる。
楽しい、嬉しい、といった感情も徐々に戻ってきました。
残念ながら治療が長期期間になってしまい、支えてくれた彼女とは別れてしまいました。
感謝の気持ちは強いのですが、本当に迷惑と心配をかけ、申し訳ない気持ちが残りましたね。
今ではよほど大きな哀しみがなければ耐えられると思います。
ただ、うつ病になってしまったがために若く働き盛りの数年間を失った事などは自分にとっては痛かったな。
以降、なかなかいろいろな事に対して積極的でいる事はなくなりました。
しかし、誰かと接する時に相手の気持ちを察するようにはなりましたね。
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