兄の心の支えになったのはハムスターでした

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我が家は3人兄弟で一番上の兄はもともとおとなしい性格で、
うるさい私と姉に比べると自己主張は少ない方でした。

ですが仕事の休日になると好きな電車で遠出をして温泉めぐりをしたり、
観光地めぐりをしては家族におみやげを買ってきてくれる優しい兄でした。

そんな兄に異変が起きたのは、30歳直前のことです。

朝、仕事に行くため家を出ようとすると玄関先で嘔吐することが数日続き、
明らかに口数が少なく、覇気がない。

内科にかかった後、心療内科を勧められ、母が一緒に受診するとうつ病とのこと。
数日、兄の様子を見ていた家族の反応は、やっぱりなという感じでした。

薬を服用し始めましたが、やはり仕事に行こうとすると体調を崩してしまったり、
行けても数時間で帰ってきたり。しばらくして仕事は休職することになりました。

休職して少し落ち着いたように見えましたが、生気が抜けているというか、
元気がなく、もちろん趣味の電車での外出もしなくなり
家族としてはとても心配しました。

そんな時に母が友人からその友人のお嬢さんがうつになったあと、
ペットに文鳥を飼い始めたら元気になったと聞いてきたのです。

我が家の兄も小動物が好き。さっそくハムスターを飼い始めました。

当時、家には両親の他に私や姉も同居していたので掃除などの世話は家族がやり、
兄は可愛がる専門でした。でも大成功。

次第に自分で世話をするようになり、エサを買いに外出したり、
おもちゃを探しに行ったり少し元気を取り戻しました。

あの小ささが自分が何とかしなくては、
と思わせてくれたのかなと思っています。

そのハムスターはすでに死んでしましましたが、
兄は落ち着きを取り戻し復職することもできています。